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アノテーションとは?意味や必要性、AI機械学習に必要な作業を解説

アノテーションとは?意味や必要性、AI機械学習に必要な作業を解説
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概要

AIの機械学習には大量のデータが不可欠です。しかし、データを用意するだけでは十分ではありません。精度の高いモデルを構築するには、データに対してラベル(メタデータ)やタグを付け、分類することで意味付けを行う「アノテーション」が必要です。本記事では、AIの機械学習におけるアノテーションの定義やその重要性、作業方法について解説します。

       

      【目次】

      アノテーション(Annotation)とは

      AIの機械学習モデルにおけるアノテーションの重要性

      AIの機械学習モデル構築におけるアノテーションに必要な準備

      データの種類や目的によって異なるアノテーションの手法

      AIの機械学習におけるアノテーションを行う際の注意点

      AIの機械学習におけるアノテーションのまとめ

       

       

      アノテーション(Annotation)とは

       

      アノテーション(Annotation)とは、英語で「注釈」や「注記」を意味する言葉で、主にITの分野ではデータに補足情報を追加することを指します。そのため、プログラミング言語のひとつであるJavaのプログラムに記載する注釈のほか、ビッグデータを効率的に管理するためのラベル(メタデータ)付けやタグ付けといった文脈で使われることも少なくありません。AI開発の分野におけるアノテーションは、AIが認識できるように、テキスト、画像、音声などのデータにタグやラベル(メタデータ)を付け、整理、分類することで意味を持たせるプロセスを指します。また、アノテーションで作ったものを「教師データ」と呼びます。

       

      この記事では、大量のデータをもとに規則性や関係性を見つけ出す仕組みである「AIの機械学習モデル」におけるアノテーションに焦点を当て、AIの機械学習モデルの学習データとして使用される教師データ作成のためのプロセスについて解説していきます。

       

      AIの機械学習モデルにおけるアノテーションの重要性

       

      アノテーションの重要性は、AIの機械学習モデルの精度を向上させるという点において非常に高いものです。特に「教師あり学習」においては、データに正確なラベルを付けることが、モデルが正しいパターンや規則性を学習するための基盤となります。教師あり学習とは、過去の入力データとそのラベルを機械学習アルゴリズムに与え、パターンを学習させる手法です。例えば、動物の画像に「ネコ」や「イヌ」とラベルを付け、十分なデータをもとに学習させることで、未学習の画像でも正確に分類できるようになります。つまり、教師データの質がAIの学習精度を左右するため、正確なデータを豊富に用意することが、AIの高精度な予測や分類の実現可能につながるでしょう。

       

      なお、一般的な「教師あり学習によるAIの機械学習モデル構築」の流れを解説します。アノテーションが行われるのは、データ収集後です。

       

      <教師あり学習によるAIの機械学習モデル構築の流れ>

      1. 問題の定義と目標設定

      2. データの収集

      3. アノテーション

      4. 機械学習モデルの選択

      5. データの前処理

      6. 機械学習モデルのトレーニング

      7. 機械学習モデルの評価

      8. 本番環境での運用

       

      AIの機械学習モデル構築におけるアノテーションに必要な準備

       

      AIの機械学習モデル構築のアノテーションを実施するためには、データのほかに、アノテーターとアノテーションツールを準備する必要があります。ここでは、アノテーションの準備に必要なアノテーターとアノテーションツールの選び方について解説します。

       

      アノテーターの選び方

       

      アノテーション作業の担当者をアノテーターと呼びます。社内のデータサイエンティストやエンジニアが担当する場合もありますが、外部の専門業者に依頼する方法や、クラウドソーシングでアノテーターを募集する方法が一般的です。

       

      それぞれの方法には一長一短があるため、スケジュール、コスト、セキュリティなどを総合的に考慮して最適な方法を選ぶことが大切です。例えば、外部の専門会社に依頼する場合では、高い品質のアノテーションが期待できますが、委託先の選定やコミュニケーションに時間がかかる可能性があったり、クラウドソーシングを利用する場合では、コストが抑えられる反面、一定の品質を保つことが難しくなる可能性があったりします。

       

      アノテーターを選ぶ際には、アノテーション対象のデータの専門性や難易度を考慮し、トレーニングやテストを行うことでスキルレベルを評価するのもひとつの方法です。例えば、候補者にサンプルデータでアノテーションを行ってもらい、その品質を確認することで、アノテーターに適切な人材を見極めることができるでしょう。

       

      アノテーションツールの選び方

       

      アノテーション作業には、データに対して正確にラベル付けやタグ付けを行うための専用ツールが必要です。ツールには、クラウドベンダーが提供するツール、無償で誰でも改変や再配布が可能なオープンソースソフトウェア(OSS)、自社で開発した内製ツールなどがあります。これらのツールを利用することで、アノテーション作業を自動化することで効率化し、大量の教師データを短期間で作成することが可能です。

       

      通常、ツールを選定する際には、データの種類や規模、アノテーターのスキルレベル、予算などを考慮して、主にアノテーターやデータサイエンティスト、エンジニアが慎重に検討します。また、プロジェクトマネージャーやIT管理者も、コストやセキュリティの観点から選定プロセスに加わることがあります。ツールの選択が、アノテーションの効率や品質に直接影響を与えるため、慎重に選ぶことが大切です。

       

      データの種類や目的によって異なるアノテーションの手法

      データの種類や目的によって異なるアノテーションの手法

       

      アノテーションとは、あらかじめ定義された分類項目に基づいてラベルやタグを付ける作業を指しますが、アノテーション作業を行うことでできるようになることは、データの種類や手法によって異なります。テキスト、画像、音声のデータに対してアノテーションがどのように活用されているかなどについて解説します。

       

      テキストデータ

       

      テキストデータのアノテーションを行うことにより、コンテンツの量に関わらずコンテンツ内の文書から特定の情報を抽出したり、コンテンツ自体を適切なジャンルに分類したりすることが可能になります。例えば、ニュースサイトなどではカテゴリごとに記事を分ける際に、テキストのアノテーションが活用されています。

       

      画像データ

       

      画像データのアノテーションは、ECサイトでの商品分類や自動運転車の画像認識など、さまざまな場面で活用されています。画像データのアノテーションには、主に3つの手法があります。

       

      ・物体検出(オブジェクト・ディテクション)

      物体検出とは、画像データ内の特定の対象物を検出し、タグやラベルを付ける手法です。例えば、対象物を四角で囲み、「猫」「車」などのタグを付けることで識別します。異常検知、外観不良検知や自動運転、建物の外観診断や防犯、監視用途、医療分野など、様々な分野で活用されています。

       

      ・領域抽出(セマンティック・セグメンテーション)

      領域抽出とは、画像の特定領域を選択し、その中の画像のピクセル(画素)1つひとつに対してラベル付け、タグ付けしていく手法です。領域抽出は物体が重なっていると区別が難しくなるものの、空や道路などの不定形の領域を検出することが可能です。そのため、車の自動運転や医療画像解析など幅広い分野で活用されています。

       

      ・画像分類(クラシフィケーション)

      画像分類とは、画像全体、つまり画像1枚に対して該当する属性すべてをラベル付け、タグ付けする手法です。画像内にある要素すべてに対し、カテゴリごとに分類します。複数の属性を持つ対象がある場合は、すべてに対し、ラベル付け、タグ付けを行う必要があります。画像内の物体を自動で識別し、分類することが可能になるので、在庫管理のほか、製品の仕分けやピッキング、製品の異常検知、ECサイトでの商品検索、小売店のレジ業務などに活用されています。

       

      音声データ

       

      音声データのアノテーションは、音の種類や音量、および音声の意味、つまり音声をテキスト化したものに対し各単語にラベルやタグを付けることです。これには、特定の発音やイントネーションの転写、言語や方言、話者の属性などを識別することなども含まれます。会話や現象の中で発生するノイズやサウンドも明確に区別できるようにすることで、音や言葉の適切な認識が可能になるため、議事録の書き起こしや自動翻訳、スマートスピーカーなどに活用されています。

       

      AIの機械学習におけるアノテーションを行う際の注意点

       

      AIの機械学習モデルを構築するためのアノテーション作業を行う際に考慮すべきポイントについて解説します。

       

      事前の検討や準備にかかる期間

       

      アノテーションを行う前には、構築する機械学習モデルの目的や仕様を明確にし、それに合わせたデータの質やバリエーションを十分に検討する必要があります。対象データが不十分な場合は、データ収集から始める必要があるため、プロジェクト全体のスケジュールに影響を及ぼすこともあるでしょう。また、アノテーターの選定や契約手続きなどにも時間を要す場合があります。必要な準備期間を考慮したうえで計画を立てることが大切です。

       

      アノテーションの品質コントロール

       

      アノテーション作業には時間と人手を要するため、外部委託で対応するケースが多く見られます。外注委託の活用は便利で効率的な反面、アノテーターによるスキルのばらつきや、認識や理解の齟齬によりアノテーションの品質が低下してしまうリスクもあります。ツールを用いてアノテーターごとの作業品質を可視化したり、同じデータを複数のアノテーターに割り振ることで品質の均一化を図ったりするなどの対策も検討しましょう。

       

      AIの機械学習におけるアノテーションのまとめ

       

      以下に、AIの機械学習におけるアノテーションの要点をまとめます。

       

      ・アノテーションとは、データにラベルやタグを付けて整理・分類するプロセスを指し、特にAIの機械学習モデルの構築において、教師データの作成に利用される

      ・教師データの質がAIの学習精度を左右し、AIによる高精度な予測や分類の実現につながる

      ・アノテーションには事前の検討や準備が不可欠。外注する場合は事前に品質のチェックを行うほか、ツールを使った作業品質の管理、複数アノテーターによる品質の均一化などの対策が求められる

       

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      Published: 2024年11月8日

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