【目次】
ブレーンストーミング(ブレスト)とは
ブレーンストーミングを実施する際の4原則
ブレーンストーミングを実施する際の注意点
ブレーンストーミングの実施方法例
ブレーンストーミングのアイデア整理に役立つフレームワーク例
ブレーンストーミング まとめ
ブレーンストーミング(ブレスト)とは
ブレーンストーミング(Brainstorming)とは、アメリカ、ニューヨークで1928年に設立された世界的広告会社BBDOの創業者であるアレックス・F・オズボーン氏によって考案されたアイデア発想法、会議手法です。1953年に出版されたオズボーン氏の著書「Applied Imagination: Principles and Procedures of Creative Thinking」の中で、コンセプトとともに、「ブレーンストーミング(Brainstorming)」という言葉が初めて紹介されました。
複数人で自由にアイデアを出し合ったり、互いに刺激し合ったりするなかで、創造的な発想や新たなアイデアを短時間でたくさん得ることを目的としています。日本語では「ブレスト」と略されることが多いですが、BS法、集団発想法、集団思考、課題抽出などとも呼ばれることがあります。
ブレーンストーミングを実施するメリット
ブレーンストーミングのメリットとしては、以下などがあげられるでしょう。
・多様なアイデアや新しい発想の創出
・参加者の発想力強化
・参加者同士やチームの一体感の醸成
ブレーンストーミングを実施する際の4原則
効果的にブレーンストーミングを実施するために厳守すべき原則は4つあります。進行役含め実施を企画する側も参加する側もこの4つの原則を事前に理解しておくことが大切でしょう。
原則1:(出たアイデア委に対して)否定、批判や判断をしない
ブレーンストーミングの最も基本的なルールです。全てのアイデア、発言に対して、否定したり、批判したり、そのアイデアや発言の良し悪しなどの判断をしてはいけません。参加者が自由に発想し、心理的な障壁なく発言しやすくするためにとても大切なルールです。自身においても、他の参加者にどのように思われるかを気にせず発言しましょう。
原則2:(アイデアの)質より量を重視する
ブレーンストーミングにおいて大切なのは、アイデアの質ではなく、量です。まとまっていないアイデアでも、すでに出ているアイデアと似ているものでも問題ありません。なるべく多くのアイデアを出すことに集中しましょう。
原則3:アイデアを結合し、発展させる
出てきたアイデアから発想を広げ、違うアイデアを付け加えることや、出てきたアイデアを複数組み合わせることもることも積極的に行いましょう。新たな視点を加えることで、さらに新しいアイデアを創出できる可能性もあるでしょう。
原則4:あらゆるアイデアを歓迎する
アイデアが風変りでも、奇抜でも、非現実的でも、斬新でも歓迎しましょう。固定観念にとらわれないアイデアにも新たな価値を生み出す可能性があります。独創性やユニークさのあるアイデアから生まれた革新的なソリューションは少なくありません。自身でも躊躇せず、どんなアイデアも積極的に発言することを意識しましょう。
ブレーンストーミングを実施する際の注意点
4つの原則を守ることで効果的なブレーンストーミングの実施は可能ですが、別途注意しておいた方がいい点が3つあります。
人選と環境整備
参加者が発言しやすくするためには、慎重な人選と実施場所の環境整備が不可欠です。参加者の中に強い影響力をもつ立場の方がいる場合などは緊張してしまい、アイデアが思い浮かんでも発言されなくなってしまうといったケースもあるでしょう。また、個室になっているなど話しやすい場所を選び、リラックスできるよう軽食や飲み物を用意することも有効でしょう。
出たアイデアの記録と活用
どれだけ魅力的なアイデアが出たとしても、今後の戦略立案や行動計画などに活用しなければブレーンストーミングをした意味がなくなってしまいます。そのためには、ブレーンストーミングを実施して集まったアイデアは必ず記録しておきましょう。実施時の想定とは違ったケースでも活用できるかもしれません。
ファシリテーション(進行)
限られた時間でうまく進行するために、ファシリテーター役を選出しましょう。先述のとおり、ブレーンストーミングの目的の1つは、多くのアイデアを出すことです。ファシリテーターが4つの原則を守ったうえで、必要に応じて軌道修正を行うことで、アイデア出しに集中できるでしょう。
ブレーンストーミングの実施方法例
一般的なブレーンストーミングの実施方法を4つのステップにわけて説明します。
Step1. テーマと目的の明確化
まずは、実施するブレーンストーミングのテーマや問題を設定します。次に、実施するブレーンストーミングの目的(ゴール)を決めます。テーマ、目的ともに、解釈に齟齬(そご)が生じないよう、具体性のあるものにしましょう。何のために、アイデア出しをするのかをクリアすることが重要です。
Step 2. ファシリテーター(進行役)の選定
テーマと目的が明確になったら、ブレーンストーミングの進行役となるファシリテーターを決定します。ファシリテーターは、4原則(基本ルール)の順守や議論の進行管理、時間配分の調整だけでなく、発言しやすい雰囲気づくりや参加者の発言を促したりする役割まで担います。適任者を選ぶことが重要でしょう。
Step 3. 参加者の決定
ファシリテーターが選定できたら、先述の注意事項を参考にしながら、異なる背景や価値観を持つ人を集めます。同質の考えや価値観を持つ人を集めてしまうと、シナジー効果を獲得する可能性が低くなってしまうので、注意が必要でしょう。参加人数に制限はありませんが、最大でも 10人以内が適切とされています。
Step 4. ブレーンストーミングの実施
Step3までの準備が整ったら、ブレーンストーミングを実施できます。実施する際には事前に、参加者全員に設定したテーマと目的を共有し、制限時間を設定したうえで実施しましょう。一般的に、20〜30分程度を制限時間とするのが適切だと考えられています。このうち、アイデア出しの時間に、5〜10分程度をかけて、15~20分はアイデア整理の時間にあてるのが一般的です。アイデア整理とは、アイデア出しの時間に集まったアイデアを集まったアイデアを特徴ごとに分けてみる、異なるアイデアを組み合わせてみる、集まったアイデアに新たなアイデアを追加してみる、などの作業を指します。アイデア整理をする際に有効なフレームワークやツールがあるので、目的にあったものを活用しましょう。
もし制限時間を延長する場合や、適切だとされている時間よりも長く行う場合などは、参加者の集中力を維持させるために休憩をはさむようにしましょう。
ブレーンストーミングのアイデア整理に役立つフレームワーク例
アイデアの整理に役立つフレームワークをいくつか紹介します。これらのフレームワークは複数を組み合わせて活用することも可能です。
KJ法
KJ法は、集めたアイデアをカードにまとめて、共通の要素をもつ情報をグループ化し、整理するためのフレームワークです。KJ法を活用すると、アイデアが可視化され、少数意見を含むすべてのアイデアを活用しつつ、論理的にアイデアが整理できます。KJ法の流れは以下の通りです。
1. カード(または付箋)にアイデアを1つずつ記入する
2. 共通点のあるアイデアをグループ化する
3. グループ間の関係性を図解化する
4. アイデアを文章としてまとめる(文章化、叙述化)
マインドマップ
マインドマップは、放射状にアイデアを記し、思考を可視化することで情報を整理するためのフレームワークです。放射線状に展開することでアイデア間の関連性がわかりやすくなるため、全体像を把握するのに適しています。マインドマップは、マップの中心にテーマを記したうえで、出てきたアイデアを関連付けるように放射状に記していきます。
SWOT分析
SWOT分析は、企業の内部環境と外部環境を分析するためのフレームワークですが、ブレーンストーミングで集められたアイデアに実行する価値があるかどうかの議論にも応用が可能です。
関連記事:【テンプレあり】「SWOT分析」の成功法!やり方や具体例を図で説明
ブレーンストーミング まとめ
以下にブレーンストーミングについての要点をまとめます。
・ブレーンストーミングとは、複数人で行う、短時間でたくさんのアイデアを生むことを目的としたアイデア発想法、会議手法。
・実施する際に守るべきルールは4つ:「(出たアイデアに対して)否定、批判や判断をしない」、「(アイデアの)質より量を重視する」、「アイデアを結合して発展させる」、「あらゆるアイデアを歓迎する」
・ブレーンストーミングによって得られたアイデアは整理してまとめることが重要。KJ法やマインドマップ、SWOT分析などのフレームワークが役立つ。
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