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「NEUT Magazine」編集長が綴る、現代の情報発信Vol.2 〜Z・ミレニアル世代は、イコール「若者」?〜

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平山潤

NEUT Magazine編集長

概要

コミュニケーションの方法が多様化され、気軽に発信できる昨今において「受け取る」側の印象、捉え方も重視する必要があります。さまざまな価値観を持った若者の声を発信し、先入観に縛られない「ニュートラル」な視点を届ける「NEUT Magazine」の編集長・平山潤氏に、若者の価値観とそれを知るための方法を教えてもらいました。

      SNSの登場で、経営者の「思い」や「考え方」をカジュアルに発信できるようになった昨今。ビジネスオーナー自ら発信し、「共感」を集めることで自社のファンを増やすことも、珍しいことではなくなりました。コミュニケーションの方法が多様化され、変化を続けているいま、「届ける」ことの意味、方法、トーンや目線といったことだけでなく「受け取る」側の印象、捉え方についても重視し、届けたい声やメッセージがちゃんと伝えられるようにするためのアップデートは不可欠と言っていいでしょう。

      Z世代の若者を中心に多くの人に支持されているウェブマガジン「NEUT Magazine」の編集長であり、経営者でもある平山潤氏が、「若者の価値観とそれを知るための方法」について綴ります。

       

      多様化する若者の価値観と、その選択肢

       

      こんにちは。NEUT MEDIA代表 / NEUT Magazine編集長の平山潤です。ウェブマガジンであるNEUT Magazineは「Make Extreme Neutral(エクストリームをニュートラルに)」をスローガンに、ジェンダー・セクシュアリティ・人種・セックス・環境問題・メンタルヘルスなど、世間で「エクストリーム」だと思われるようなトピック・人について発信し、先入観に縛られない「ニュートラル」な視点を届ける活動をしています。

      若者の価値観や考え方はどんどん多様化しています。インターネットやスマートフォンの発達により、YouTubeのような無料で無制限に楽しめるサービスが増え、日本だけでなく海外の情報も容易に取り入れられるようになりました。さまざまな情報が入手できる環境で育ったデジタルネイティブ世代の若者たちは、多様な生活様式、文化と触れる機会が多くあり、価値観も多様化しています。多種多様の時代だからこそ、実際に若者と交流することは、現代を生きる大人や企業にとって必要なことだと感じています。

      例えば都市での「若者の車離れ」が叫ばれていますが、今の若者がドライブをしなくなった一つの理由として、「選択肢の多様化」があると考えます。交通網が発達したことにより、車がなくても移動できる世の中となり、駐車場や維持費用などの高いコストを払うのではなく、必要なときだけに安く利用できるレンタカーやカーシェアリングなどのサービスを使う。「自分の車を持っていること」がかっこいいとされ、車を持つことは経済的な成功の象徴だという価値観はもう古いものになったように感じます。交通手段や価値観など、あらゆる面で選択肢が増えるなか、車を所有する人が減るのは当然のこと。そのような状況下で、「若者は〜である」といった先入観を持つことは果たしてできるのでしょうか。

      NEUT編集長・平山潤氏

       

      「若者」と一括りにし、表層だけを見るのはNG

       

      情報が増えた分だけ価値観や趣味が多様化していくことは当たり前のこと。NEUT MEDIAでは若者をターゲットにした企業と関わることが多いですが、「多種多様な価値観を持った人々」を「若者」と一つにしぼることは難しいと感じています。特定のテーマに対し、それに合致する価値観を持った若者に向けて発信することが大切なのです。

      NEUT Magazineでは、さまざまな価値観を持った若者の声を発信しています。メディアとしてはあらゆる人たちに読んでもらえるようにコンテンツをつくっていますが、そのなかでも特に、人権や環境問題など社会課題に関心を持っていて、映画、ファッション、写真といったカルチャーが好きな人が多いです。NEUTが発信する際は、そういった層に受け入れられるかを大切な基準として設けています。そしてNEUT Magazineを読むことで、30代から50代、それより年齢が上の人たちが「こんな人がいるんだ」と新鮮に思ったり、逆に10代、20代なら「私と同じ人がいるんだ」と身近に感じたりすることで、エンパワーメントとなれば嬉しいと考えています。

      企業においても、若者の価値観が多様化していることを前提とすること。そして、そのなかでも、どのような価値観を持った層をターゲットにするかを考えることが大切だと考えます。そこで重要なのが、実際にその人たちと触れ合うこと。例えば、打ち合わせを会議室ではなく相手が普段行っているカフェにすれば、本人が普段どんなエリアや場所に行き、カフェの雰囲気からどんなカルチャーに興味を持っているか、普段どのような人と遊んでいるかなどもわかります。実際にNEUT Magazineでは、高いカルチャー感度や社会的意識をもつ若者をインターンシップ生として受け入れたり、プライベートでも一緒に遊びに行ったりしています。音楽や映画が好きな子や、フェミニズムなどのアカデミックな分野を勉強している子たちに、普段どんなところに行って、どんな授業を受けているのかを聞いたり、プライベートでも関わったりすることもあります。そうすることで、彼らのコミュニティーについて知れるだけでなく、ウェブマガジンの方針やブランディングを考える際にも役立っています。

      企業が若者をターゲットにするのであれば、まずは「若者」と一括りにせず、「若者」のなかでも「どういった層に発信したいか」を定めること。そして「若者の生の声を聞く姿勢を持つこと」が必要なのではないのでしょうか。

       

      ■プロフィール

      平山 潤

      1992年神奈川県相模原市生まれ。成蹊大学卒。WEBメディア「Be inspired!」編集長を経て、現在は「NEUT Magazine」創刊編集長を務める。同メディアでは、「既存の価値観に縛られずに生きるための選択肢」をコンセプトに、先入観に縛られない視点を届けられるよう活動中。

      NEUT Magazine ※外部リンクに移動します

       

      ■スタッフクレジット

      文:平山潤、Honoka Yan 写真提供:平山潤 編集:服部桃子(株式会社CINRA)

       

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      Published: 2021年9月13日

      Updated: 2023年10月17日

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